去る10月14日(金)~16日(日)にかけて、エコッツェリア協会(一般社団法人 大丸有環境共生型まちづくり推進協会)が運営する丸の内プラチナ大学主催の表記のフィールドワークに参加しました。

福山市役所の全面的な支援の下、2泊3日ながら非常に濃密なプログラム。小生、JR福山駅に降りるのは初めてで、10名を超える参加者のなかにも、「実は福山は新幹線で通り過ぎる駅でした」という人がちらほら。

そこでいきなり「福山駅は福山城の敷地のなかに立っているのをご存じですか」と教えられ、「すみません、存じ上げませんでした」。駅の目の前に立つ福山城は今年、築城400年を迎えます。かの地は世界バラ会議が開かれること、デニムの生地生産で日本一であること、そして瀬戸内海を望む景勝地「鞆の浦」があること(鞆の浦が福山市にあることを知らない人が実は多い)などなど、多くの素晴らしい資源を体験できました。

うれしい出会いもありました。和食の良さを引き出す日本酒造りをしている(株)天寶一の村上康久社長、地域密着型のデニム産業の活性化に取り組む「ヒトトイト」の黒木美佳さん、福山市政シニアマネージャーとして地域の産品を世界に向けて発信する野口進一さん、鞆の浦で移住者の受入や福祉事業に取り組み若い方々、同地で高齢者や障害者を地域でケアする事業を展開している鞆の浦・さくらホームの羽田冨美江代表など、みなさんの活動に大いに刺激を受けた次第です。

デニムの産地で参加者がミシン縫いに挑戦
瀬戸内海を望む鞆の浦にて

ちなみに鞆の浦の港で地元の男性高齢者10人くらいが日向ぼっこしながら談笑している姿が印象的でした。皆さん、古民家の外壁に沿って置かれた長椅子に並び、何人かはパイプ椅子に座っているのですが、お互い微妙に視線がずれていて、話の内容も各々がつぶやくような感じ。「今日は暑いのう。汗が出るいうのは、生きてる証拠じゃの」「わし、めまいしたけど、よかったというこっちゃ」などなど。「女性は向かい合って座るけれども、男性は同じ方向を見る方が居心地がいいのではないか」とは羽田代表の言。ときどき観光客にツッコミを入れるところなどは、地元の流儀を教えているようにも見えました。

最終日は枝廣直幹市長はじめ福山市の幹部の方々向けに、参加者が課題解決プランを発表します。枝廣市長は「こういうプレゼンテーションでの『言いっぱなし、聞きっぱなし』はよくない。私たちは皆さんの提案を真摯に検討したい」と、熱心にメモをしながら聴いておられました。

逆参勤交代は人の移動だけでなく、働き方改革や地域づくりなど、様々な分野にまたがるムーブメントであることを改めて実感した次第です。本フィールドワークは福井市や北九州市などでも行われます。ぜひ多くの方に体験していただきたいと思います。

福山市の市章(福山城に模したデザイン)が映画『バットマン』のシンボルマークに似ていることから、福山市は『バットマン』の舞台である架空都市「ゴッサムシティ」と友好都市を提携しています。