8月24日~26日にかけて高知市に生涯活躍のまちアドバイザーとして(株)コプラスの田坂妙子さん、有識者として(公社)青年海外協力協会の堀田直揮さん、(株)市浦H&Pの仁科力さんに入ってもらっていました(冒頭の写真は最終日の報告会でアクティブシニア移住促進のための提案をする田坂さん)。

生涯活躍のまちアドバイザーとは、生涯活躍のまちづくりを進めている、あるいはこれから取り組もうとしている自治体や事業者が抱える課題(資金の調達、空き家の利活用、人材の獲得、事業の意義の周知など)に係る助言を行う専門家であり、そうした人材育成のため、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の委託を受けた当協議会が「生涯活躍のまちアドバイザー研修」を開催しています。昨年度は自治体職員をはじめ、地銀、信用金庫、不動産、医療・福祉、農業、大学など多様な専門性をもった方々が参加され、講演、講義、グループワークなど3日間のプログラムを受講された約100名の方が修了証を受領しました。

今年度の本事業では上記の研修のほか、実際に自治体へ生涯活躍のまちアドバイザーを派遣して、課題解決のサポートを行う試行的事業も組んでおり、高知市地域活性推進課移住定住推進室が受け入れてくださいました。

今回、受け入れに当たって様々な準備や調整をしてくださった、高知市
地域活性推進課移住定住推進室の森田加奈子さん。手前は内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の知念浩生さん。

アドバイスの対象は主に同市の生涯活躍のまち形成事業主体として選定された一般社団法人高知サマサマCCRCセンターならびにくろしお医療福祉株式会社の方々です。課題は事業者のミッションであるアクティブシニアの移住促進がなかなか進まないこと。私たちは当該事業者の方々へのヒアリングだけでなく、現地の視察、土佐経済同友会、商店街振興組合といった関係機関の方々との意見交換も重ね、課題とその解決方法、今後の事業展開の可能性についてなどを明確にしてまいりました。

商店街の視察。くろしお医療福祉株式会社の冨田実さんの説明を聞く堀田さん

最終日には上記の田坂さん、堀田さんから、移住検討者のニーズの把握の(従来とは違う)方法、高知市サイドから「こんな人に(高知市へ)来ていただきたい」といった移住の逆提案、また、移住のネックとなっている高齢者が住まいを賃貸するときの問題の解決策、土佐経済同友会や商店街振興組合との連携の在り方、地域の交流拠点を活発にすることによって移住者受け入れ態勢を整えるといったアドバイスがなされました。

視察先でのヒアリング。向かい側、左から二番目が仁科さん。

高知市の皆様からは「少子高齢化が進む高知市、ひいては高知県をよくしていきたい」という強い気持ちが伝わり、私たちも気が引き締まる思いでした。生涯活躍のまちアドバイザーはコンサルタントと違い、単発的に地域に入って、事業が前に進むよう後押しする役割ですが、決して一回だけでなく、今後も機会を見つけてサポートできればと思っています。

高知市春野地区の説明をする高知サマサマCCRCセンターの井倉俊一郎さん