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目指す頂上は同じだったが、下りる方向は人それぞれである(ゴジカラ村の風景)。
当協議会の副会長である大須賀豊博が理事長を務める社会福祉法人愛知たいようの杜は、愛知県長久手市の緑豊かな雑木林のなかにある「ゴジカラ村」で、特別養護老人ホーム、ケアハウス、デイサービス、多世代共同住宅の他、関連法人がもりの幼稚園や看護福祉専門学校などを運営しています。
先日、愛知県は新型コロナ感染拡大防止のための緊急事態宣言を発出したました。幸いゴジカラ村では感染者は出ておりません。
「毎年、インフルエンザや流行する病に対する予防は徹底していたから、より細心の注意を払うという感じ」と大須賀理事長。事業についていえば、介護福祉専門学校や幼稚園などが休止せざるをえないものの、デイサービスは比較的元気な利用者さんは回数を減らしているくらいで通常の運営をしているとのこと。
ゴジカラ村の施設の特徴のひとつは部屋が内側に向いておらず、外に向かっていること。また、建物の入り口に受付、その先にまっすぐな通路といったような会社や病院とは違い、廊下が微妙に曲がっていて、板張りの床は温かさを感じさせます。ゴジカラ村は多世代がまざって暮らすことをモットーにしていますが、互いの距離感は保てるような、みんなが密集しないようなつくりになっているのです。
表題は大須賀理事長の言葉です。高度成長時代の私たちは昨日より今日、今日より明日、もっと豊かになろうとしゃにむに頑張ってきました。ところがバブルが弾けて以降、リーマンショック、東日本大震災に見舞われた1990年代から2010年代前半までの間に、私たちは目標を失い、本当の豊かさがわからなくなっているのではないか、というのが大須賀理事長の思いです。
「ぼくは東日本大震災の前後で右肩上がりの時代意識が変わったのではないかと言っていたけれど、世界規模で新型コロナウィルスが感染が拡大する現状を見ると、コロナショックの前と後で価値観が大きく変わる気がする」
大須賀理事長は、現状をみんなで大過なく切り抜けることと同時に、コロナ終息後の新しい生き方にも目を向けています。
あらためてゴジカラ村が大切にしていることを--。
●手間暇がかかる=遠回りをする=大勢が参加
●おおらかになる=折り合いをつける=互いを責め合わない(ほどほど、ぼちぼち、だいたい)
●会社の価値観(数字、効率、成果)を地域や家庭に持ち込まない(役割と居場所をつくる)
●よいことも悪いことも含めての人の暮らし(わずらわしさをよいことと捉え、おおらかに暮らす)