2日目(9月11日)

講義 政策課題の整理と理解「活力ある超高齢社会を作るには」「Society 5.0 地方都市における次世代産業作成」

後藤純・東京大学高齢社会総合研究機構特任講師

本研修を予行練習とし、現地で実践すれば、あなたのまちですぐにアドバイザリー・ボードを立ち上げられるような話をしていただきました。コミュニティとは何かという根本的なところから始まり、新しい社会保障からコンパクトシティ+ネットワークまで2時間、内容がぎっしり詰まった講義でした。

講義 事例紹介 「小さな拠点・地域運営組織と 教育/生涯学習分野の事例紹介」

荻野亮吾東京大学高齢社会総合研究機構特任助教

前半は地域の拠点をどうつくるか、後半は教育や生涯学習の分野で、面白い事例を紹介。

公民館は地域の課題解決の場。狭い意味の教育施設に限定せず、全国に約1万6,000館ある公民館をまちの活性化として使っていくこと。また、株式会社いろどり(徳島県上勝町)、やねだん(鹿児島県柳谷集落)など、行政や補助金に頼らない 成功事例を参考に「小さな拠点」の形成と地域運営組織の持続的な活動のため、農協や商工会等の地域内外の多様な組織との連携の重要性を話していただきました。

その日のワークショップで出された主な意見を以下、ご紹介します。

「地元の施設の機能がニーズに合っているのかどうかを把握できていない。生涯活躍のまちには地域包括ケアの構築が重要。市町村は《こんな人に来てほしい》という発信も積極的に行うべき」

「地域資源を生かしてどうやって人を引っ張ってこられるのか。そのための雇用をどうつくれるか。成功事例をもっと学びたい。情報提供の支援をいただきたい」

「生涯活躍のまちとは、そこで生まれ育った方がこれからも住み続けたいと思わせるところ。自分たちの強みや弱さはわかるのは移住者。市町村、住民、事業者の連携が大切だが、そこには「Yes and」式の議論は不可欠。そうすることで何をやるべきかが明確になる」

「そこに住む人々のコミュニケーションが活発に行われているところが人を引き付ける。「つくりおき食堂」というアイデアが出た。食事をつくるだけ、販売だけ、というように個々の都合に合わせた時間帯を利用することで、多くの人がかかわれる仕組みをつくる」

3日目(9月12日)

講義・事例紹介 「住まい」「ケア」「活躍」「移住」「コミュニティ形成」の事例の紹介

堀田直揮・(公社)青年海外協力協会事務局長

生涯活躍のまちを推進するために縦割りを越えること。高齢者、子ども、勤労者などのための場を地域に返す。そのための受け皿は「ごちゃまぜ」がいい、という話を。(社福)佛子園が運営する二草三木西圓寺(障害者や認知症の高齢者による漬物づくりなど)、Share金沢( 西圓寺をモデルに、さらに学生やテナントを入れた)、輪島KABULET(分散した空き家を利活用したコミュニティ)など、豊富な事例を紹介いただきました。

3日間の研修で皆さん多くのものを地元に持ち帰ってくださったと思います。事務局である私たちは、今回のよかったところ、イマイチだったところなどを検証し、次回のモデル研修に生かしてまいります。