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みんながマイノリティである社会は生きやすい。
昨日は横浜市のあーすぷらざ(地球市民かながわプラザ)でトークイベント「居場所をつくる人ひと 多文化共生時代の福祉を考える」が開催されました。「こどもの豊かな感性の育成」「県民の地球市民意識の醸成」「県民の国際活動の支援」の3つを目的に設置された あーすぷらざには、 3つの常設展示室のほか、ホール、企画展示室、多目的室、創作スタジオなどの施設があり、現在は(公社)青年海外協力協会(JOCA)が神奈川県より指定管理を受けて運営しています(館長はJOCA理事の編田照茂さんです)。
当日は障害者の就労継続支援等の事業を行うNPO法人ぷかぷかの日々の様子を描いたドキュメンタリーの上映、地域で暮らす外国人家庭と地元の人々との交流の場をつくっているNPO法人Sharing Caring Culture代表の三坂慶子さん、育児放棄やDVなど家族や地域の問題を題材とした作品を発表しているノンフィクション作家の杉山春さんの報告がありました。
Sharing Caring とは分かち合うことは思いやることという意味で、違う文化のなかで育った人同士が互いを支えながら、暮らしていきましょうという思いが込められています。
『ネグレクト-真奈ちゃんはなぜ死んだか』など育児放棄やDVや貧困問題など人々の暮らしの困難を題材を中心に執筆活動を続けてきた杉山さんは、地域における交流において「対等性」の大切さを強調しました。
ちょうど3年前のこの日、相模原市の知的障害者の福祉施設「やまゆり園」で入所者19人が殺害されるという痛ましい事件が起きました。司会のJOCA事務局長・堀田直輝さんは、JOCAの居場所づくりの実践を紹介しながら、障害者も高齢者も子どもも外国人も地域で「ごちゃまぜ」になって暮らすことの大切さについて述べました。
イベントの冒頭、障害者の就労継続支援等の事業を行うNPO法人ぷかぷかの日々の様子を描いたドキュメンタリーが上映されました。そこに映るのは利用者である知的障害者とともに活動している方々の笑顔です。一緒にいるおかげでみんなが明るく優しい気持ちになれる。障害者が生きやすい地域は、障害のない人にとっても暮らしやすい場所。あの事件の加害者の考え方とは真逆の日常があるのです。
経済が成長し、人口が増えていく時代には、障害者、高齢者、子育て世代、子どもはそれぞれが別々の生活圏にいる方が効率的だったのかもしれません。しかし、同質性の高い集団にいると小さな差異が目立ってしまうことがあります。それがいじめにつながったりする。そんな弊害を私たちは経験してきました。
じゃあ、もう一回混ぜてみよう。それが私たちの考え方でもあります。みんながマイノリティなら、排除という発想は生まれないのではないでしょうか。いざというとき同質性の高い集団よりも団結心が高まると思うのです。
そんなことを考える機会にもなりました。