『朝日新聞』に連載されている「新型コロナ揺れる経済」において、製菓大手カルビーの常務執行委員の武田雅子さんのインタビュー記事「出勤・在宅 決めるのは社員」が掲載されました(7月8日付)。

同記事によると、4月初めから同社で在宅勤務が広がり、社員とオンラインでワークショップをしたところ、「通勤時間って何だったんだろう?」といった声も上がったそうです。そして全社員の2割に当たるオフィス勤務の社員に実施したアンケートでは、以前の働き方から変わりたいと回答した人は6割に上ったとのこと。

女性社員には子どもを寝かせてから仕事をするママさんもおられるそうで、フレックス勤務のコアタイム(午前10時~午後3時)も廃止。午前5時~午後10時の間で柔軟に働けるようにしました。

武田さんによれば、この改革は社員に「圧倒的当事者意識」を求めるものであり、管理職には、部下が近くにいないので「いま何をやっているか」をチェックするのではなく、成果物で管理するマネジメントが必要になります。業務に支障がなければ、単身赴任の解除も認める制度に移行しました。

コロナ危機が日本の企業人の働き方に及ぼしたインパクトについて、武田さんはこう答えています。

「何で働いているんだろう?何で満員電車に乗っていたんだろう?などと、この間に内省された方は多い。『単身赴任って何の意味があるんですか?』と聞かれるのを私たちが恐れていたように、腹落ちする大義があるかどうかをみんなが考え始めた」

製造現場などテレワークが適さない部署もあるでしょうが、第5世代移動通信システム(5G)の今後の進化によって、現場にいなくてはいけない人の数は減っていく可能性もあります。

新型コロナによる働き方の改革は地方創生を前に進めていくことをあらためて認識させる記事でした。