8月1日にオープンした(公社)青年海外協力協会(JOCA)が運営するJOCA×3・月ヶ瀬温泉のなかには駄菓子コーナーのほか、天井近くに設置した棚には、ティッシュペーパー、洗剤、スポンジから広島カープの赤いベースボールキャップやTシャツまで商品がところ狭しと置かれたり、掛けられたりしています。

「ファストフードの全国チェーンや大手のショッピングモールが見向きもしない(人口約6,000人、高齢化率50%の安芸太田町のような)中山間にある過疎地では、匿名のマスを相手にしたビジネスは成り立たない。もっと小さく経済を回していくことが大切。しばらくすると、『この商品は〇〇さんや〇〇さんがいつも買っていく』というのがわかってくるから、仕入れの数もそれに合わせる。そうしたことを繰り返していくうちに、品ぞろえが整ってくるんだよね」とおっしゃるJOCAの雄谷会長は、その利点として「たとえば、いつものものを買ってくれる高齢者がしばらく来なかったら、『〇〇さん、どうしたんだろ?』と気になるでしょう。『じゃあ、ちょっと訪ねてみるか』と、そんな見守りの要素も生まれる」とも。また、シャッターが目立つ商店街の逸品をここに集約することで、各店の売り上げ増に貢献するかもしれません。

人の顔の見える経済です。日本各地が近い未来に向き合うであろう課題にいち早く取り組んでいるここは「時代の最先端」といえるのではないでしょうか。

この商品棚のもうひとつの効用は「この場に居やすくなること」。あまりに整然としていると落ち着きませんよね。ほどほどに雑然としている方が、むしろくつろげる。そんな居心地のよさも演出しているのです。

これからこの場を育てていくのは住民の方々。「JOCA×3・月ヶ瀬温泉」がどんな空間になるのか、とても楽しみです。

オープニングの様子は「広島ニュースTTS」でも紹介されました(下記のURLよりご覧ください)。インタビューに答える加藤代表はじめ、JOCA×3のスタッフならびに開設準備でサポートをしてくださった(社福)佛子園の皆さん、お疲れさまでした。

https://www.tss-tv.co.jp/tssnews/000006754.html

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