高知の移住定住施策を説明する森田さん

去る11月11日、当協議会主催の官民合同勉強会を(公社)青年海外協力協会関東支部(JOCA東京)にて開催しました。本勉強会は内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局と連携して3年前から行っているもので、今年度は3回目。高知市 政策企画課移住・定住促進室の森田加奈子室長、そして高知市版「生涯活躍のまち」形成事業主体の候補者である(一社)高知サマサマCCRCセンターの鍵山武男代表理事、井倉俊一郎理事にお越しいただきました。

森田さんからは高知市の概要から同市のまち・ひと・しごと創生総合戦略、高知市版「生涯活躍のまち」構想・基本計画、そして移住定住の取り組みと網羅的にご説明いただきました。キャッチコピーは「生涯現役! こうちらいふで『人生二毛作』」。高知で元気な第二の人生を送りませんかという呼びかけです。高知市の移住促進に関する考えでユニークなのは、まずは高知市内に住んで、それから県内をいろいろと見て、ここならという場所が見つかったらそこに住みませんか、という二段階移住をお勧めしているところ。

「高知市だけが移住者を独占するのではなく、高知県全体の人口を保つことを考えたい」と森田さん。よさこい好きが高じて高知に住みついた方もいるとか。

報告する井倉さん

続いて井倉さん。「サマサマ」はインドネシア語で「おかげさま」という意味で、「移住者も地元の人も、お互いが感謝しあえる」CCRC活動を行いたいという思いを「高知サマサマCCRCセンター」に込めているとのこと。名誉会長は『プラチナタウン』で有名な作家、楡周平さん。海外赴任の経験が長かった鍵山さんと井倉さんが「ふるさと高知のために働きたい」とUターンしてきたところなど、あの小説の登場人物と重なってみえます。

お2人とも地元を小まめに回っているので、人と人をつなげるのが得意。移住はここに来てからが大事であり、せっかく高知に住み始めたのに周囲の気遣いがあまりなく、帰っていってしまうケースもあったそうです。介護と一次産業などの生業を組み合わせた働き方、医療と介護の連携など、「高知市が首都圏の高齢者を一手に引き受けて、高知を移住してきた方々のパラダイスにしたい」とおっしゃっていました。

とはいえ、多世代の共生も忘れていません。地元の医療法人が運営する自然豊かな「とさ自由学校」は都会の子供たちを受け入れる準備もできていますし、高知県下の高校がインドネシアの優秀な若者を迎え入れ、日本語、看護技術を学べる環境を整えています。高知の福祉医療に寄与できる看護師候補生を育成しているのです。

勉強会では大胆な取り組みも提唱されました。それらについては当協議会の定期刊行物『生涯活躍のまち』で紹介いたします。

燦燦と太陽の恵みを受ける自然豊かな高知市には、このようなとても頼りになるシニアの方々がいらっしゃいます。新しいライフスタイルが生まれる素地は十分ありです。まずは現地を見てみましょう。

報告の後も活発な質疑応答がなされました。
中央が鍵山さん。みなさん、とてもオープンなお人柄です。