1月24日(金)~27日(月)にかけて大分県アクティブシニア向け移住体験ツアーを開催しました。これは昨年に引き続いてのもので、元気な高齢者を中心としたメンバーを募り、大分県各市町村を訪れ、地元の方々と交流。現地を体感し、移住した後生活をイメージしてもらうものです。行き帰りは大阪南港と別府港を結ぶフェリーさんふらわあでゆっくり移動する参加者の方々には好評のツアーです。

今年度は由布市、臼杵市を経て、最終日は別府市へ。同市では毎月10万円で生活ができるサービス付き高齢者向け住宅「ケアコートはるかぜ」を見学した後、鉄輪温泉地区にある「ひょうたん温泉」を訪れ、5代目社長の田中仁さんの話もお聞きしました。

同社長は大阪の西成区で生活困窮者支援をした後、運輸会社に勤めていたのですが、ひいおじいさんが経営する温泉の後継者がいないと聞いて、自分が引き受けることに。田中社長いわく、「事業承継は、引き継ぐ方が腹をくくって頑張るのは当然ですが、譲る方も相手のやる気や能力を引き出してあげるような形でバトンを渡すべきです。自分が譲るときは、『譲る』ではなく、お借りしていたものを『返す』という感覚で。利子もつけて若い世代に渡すくらいでなければ」とも言われていました。

話の後半で「田中さんが考える地域貢献とは?」との当方の質問に対する答えが
表題です。「私たちが病気になったら救急車が来てくれますよね。それは
みんなが税金を払っているからです。生活困窮者への支援の際には『(生活保護費は)あなたのお金じゃなくて、みんなの税金なんだから、お酒飲むのにばかり使ってはだめですよ』と声をかけました。その一方でそういう人たちにお金を貸して高利をとる闇金の人たちとの交渉をしたこともあります」

「そして次世代を育てる。持続可能性のある社会のためには必須のことです。」

地域貢献を難しく考えず、シンプルに突き詰めれば、ここに行きつくというような言葉でした。これからの日本の課題である事業承継のためのヒントともなると思います。