先日、当協議会の正会員である参天会・喜入会共同企業体(鹿児島市で事業を行っている医療法人参天会および社会福祉法人喜入会のJV)の代表を務める新田博之さん(写真左。下は同企業体で生涯活躍のまちコーディネーターを務める松永崇志さん)にオンラインでインタビューをしました。同企業体は両法人を総称した「ニコニコタウンきいれ」においてクリニック、グループホーム、有料老人ホーム、ケアハウス、ヘルスケアサービスなど、地域において総合的な福祉事業を展開しています。

今回のテーマは「生涯活躍のまち(日本版CCRC)を振り返り、今後を展望する」。第1期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2015~2019年度)においてフォーカスされた高齢者の地方移住から、 第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2020~2024年度) の全世代型活躍へシフトしていくなか、同企業体はどのような取組をし、今後はどのような事業を展開していくかについてお話をお聞きしました。

何より印象的だったのは、長く福祉とは無縁の世界で企業経営を行ったこられた新田代表が(ご両親が運営してきた法人を承継するため)、介護・医療の現場に入った際に抱いた印象「なんて非効率なんだろう」が、「ニコニコタウンきいれ」の経営に取り組む中で、「スタッフが物事をてきぱきこなすことは利用者の方々にとって必ずしも心地の良いものではない」ことに気づき、スタッフの動きをゆっくりにしたというエピソードでした。

「その代わり、スタッフがやらなくてもいい分野は極力、オートメーション化を進めています。効率化すべきところと利用者さんと落ち着いて触れあうところを分けて、スタッフが後者に注力できるようにしました」と新田さん。医療法人参天会もしくは社会福祉法人喜入会に入職するスタッフは福祉分野外の方も多いとのこと。「某有名メーカーのシステムエンジニアだった人が『家族との時間をもてる、そして人のためになる仕事をしたい』と応募してきて、いまは元気に働いてくれています」

実際に受け入れた移住者は、高齢者よりも、日々の暮らしを大切にしたいという子育て世代が多かったとのこと。

「私たちがこれまで取り組んできたことが第2期になって合ってきたといえるかもしれません」

地方創生は人と人が交流しながら、価値観に合った暮らしができる地域であり、生涯活躍のまちはそれを実現するための手段--新田代表の話は生き方の哲学にも関わるものでした。インタビューの詳細は『生涯活躍のまち』18号(9月発行)に掲載予定です。どうぞお楽しみに。