地域活動家、小松理虔(りけん)さんは浜松市のNPO法人クリエイティブサポートレッツが運営する障害福祉事業所に通い、利用者の日常を綴っているそうです。利用者の親でもなければ、医師でもない。研修者でもない部外者。利用者と一緒に歌を歌い、昼寝をし、散歩をする。レッツは小松さんにそんな風に関わってほしいと依頼しました。

レッツは小松さんのような部外者も受け入れることで利用者もその人らしく過ごせる時間がつくれるのだといいます。小松さんは、それは素人が障害福祉や支援に関われるようハードルを低くする役割も果たすとして、民俗学者・六車由美さんの活動を紹介します。六車さんは静岡県のデイサービス施設「すまいるホーム」で利用者への聞き書きを通じて、リクリエーションやプログラムに生かす活動をしているのです。

彼女の著書『介護民俗学という希望』を読むと、このような形で「介護する人/される人」を超える方法もあるのだなと思いました。

部外者がいるだけでいい。そんな場(居場所)があれば、多くの人が通うのではないでしょうか。すると、そこは利用者が彼、彼女らを支える場にもなる。そのような関り方を小松さんは「共事」と呼びます。

共事者の存在が地域の課題解決のひとつの鍵になると思わせる記事、そして本でした。