1月1日から『朝日新聞』で連載されている「志エコノミー」が面白い。初回の北海道日本ハムファイターズ監督・栗山英樹さんを皮切りに、100食限定、客も店員もハッピーのステーキ丼専門店「佰食屋」店主の中村朱美さん、知的障がいのある人が描いたアートをネクタイやハンカチに印刷し、自社のウェブサイトなどで販売する「ヘラルボニー」の松田崇弥さんなどなど、多彩な方々の登場を毎回楽しみに読んでいます。

第7回は経営共創基盤の共同経営者・塩野誠さん。現在、フィンランドで社会的な解決に取り組むベンチャー企業に投資している塩野さんは、インタビューに次のように答えています。

「フィンランドの人口は約550万人。日本の20分の1です。国内市場だけでは食べていけない。ベンチャーの経営者たちと話すと『世界で成功したい』というスケールの大きい考え方をしている人が多い」「国内でシェア争いをしていても、規模が小さいのであまり意味がない。足の引っ張り合いが起きにくいのです。互いに協力して自分たちのコミュニティーから世界で活躍するスターを生み出したい、という前向きな思いが伝わってきます」

上記のうち、「フィンランド」を「地元の名前」に、そして「国内」を「地域」に読み替えてみるとどうでしょう? 塩野さんはフィンランドは市場規模が小さいからこそ、本人たちの当事者意識が高いともいいます。

地域の事業者、NPO法人、住民が連携しやすい環境がある地方にチャンスがあるとも考えられないでしょうか。そこに行政も加わり連携できれば、規模の小ささが武器になる。世界に先んじて少子高齢化が迫る日本の地方で取り組む事業の経験は今後の世界のモデルになり、地域で生まれたモノやサービスが海外へ輸出できるかもしれない。「生涯活躍のまち」を世界に広げるチャンスです。