当協議会が事務局を務める内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局主催の生涯活躍のまちアドバイザー養成研修が先週、3日間、大阪市内で開催されました。自治体、事業者の方々が参加くださり、20名がすべての講座、講義、ワークショップに出席し、修了証を受け取りました。

各講座の概要はあらためて報告いたしますが、今回は、東京大学高齢社会総合研究機構の特任講師、後藤純先生の「人生100年時代に各人が活躍できるまちをどのようにつくっていくのか」という問題提起を受けて、参加者は自分のまちの可能性や課題を想定しながら、様々なアイデアを提案していく際に出た、タイトルの言葉を取り上げます。

いまの日本では60~70代の半分以上は「自分を高齢者だとは思っていない」というデータがあります。そうした方々にどんな居場所や役割がほしいかを聞くと、どうしても自分より10歳年上の世代が欲していそうなものを想像してしまう。みんなで唱歌を歌うとか、折り紙やかるたをするとか。

しかし、桃井かおりさん(今年68歳)、舘ひろしさん(同69歳)にとっての楽しいコミュニティは違うでしょう。そう考えてみると、高齢者のニーズが少しづつ見えてくるのではないか。私たちが子どもの頃のおじいちゃん、おばあちゃんとはライフスタイルも変化しており、情報通信の発展により、世代間格差はいままでよりも小さくなっていると思います。多世代の交流もよりしやすくなっているのです。

「活躍」とは、その人が目をみはるような成果を出すことではありません。たとえば水泳で少し長く泳げたとか、おいしいごはんをつくることができたとか、勉強がわかるようになったとか、昨日の自分より今日の自分の方がよくなったと(すべての世代が)感じられること。それを可能にするコミュニティが生涯活躍のまちなのだと思います。

いきなり大きなハコモノをつくって「居場所」にする必要はありません。いつも使われている場所に、いままでにない機能をつけてみる。そして、その都度、改善していく。そんなことから始めてみませんか。