11月4日(木) に開催された標記のセミナーでは、東海大学工学部建築学科の後藤純特任准教授より基調講演 「エイジフレンドリーシティの国際的・国内的意義」、秋田市役所長寿福祉課エイジフレンドリーシティ担当の岩渕可奈子さんより報告「 秋田市によるエイジフレンドリーシティの取り組み」、そして 株式会社ALL-A(オールエー)の渡邉文人 さんより報告「エイジフレンドリーリビングラボ秋田」をしていただきました。

エイジフレンドリーシティ(AFC)は、世界的な高齢化と都市化に対応するため、2007年に世界保健機関(WHO)が提唱した概念であり、秋田市は2013年に日本の自治体第1号として「WHO AFC グローバルネットワーク」に参加。2018年には当時の世界参加都市833のなかからベスト11に選出されました。

当日はAFCについて、 後藤先生がその背景を踏まえた解説、岩渕さんが秋田市のこれまでのAFCの取組と今後の目指すところについて、渡邊さんが自治体と連携して運営する「エイジフレンドリーリビングラボ秋田」の紹介をしていただきました。産官学連携による先行事例として多くを学ぶことができました。

生涯活躍のまちが分野横断的な取組であることのメリットは、具体的なビジョンに欠け、わかりずらいというデメリットと裏表であり、参加されたアドバイザーの方からは「スタート時の行政のサポートがないとなかなか地域に入れない」「補助金がなくなったあとの自走をどうすべきか」という問題提起もありました。

しかしながら、岩渕さんからは「これだけ民間の方々が関心をもっていただき、ありがたい」というコメント、後藤先生からは「地域における住民の自己実現のためにお金の流れをつくる仕組み」の重要性の指摘をいただきました。また、渡邉さんからはシニア世代の社会参加を促進、高齢者が生き生きと輝く「持続可能な高齢社会の実現」を強調されていました。

後藤先生からはセミナー後、「いろいろなプロジェクトを通じて、行政、住民、企業が『これはいいね』となったところが、カタチになっているのではないか」とのコメントをいただきましたが、セミナーで同先生が「『エイジフレンドリーシティ』を日本語訳すれば『生涯活躍のまち』。世界で最も大切なプロジェクトだと私は思います」と言われていたことに励まされた次第です。

自治体、大学、事業者、アドバイザー、そして住民の方々と連携しながら、生涯活躍のまちの様々な事例を積み上げる必要性をあらためて実感するセミナーでした。

これから「健康」における様々なテーマで勉強会を進めていきたいと思います。