5月14日(土)、16日間に及ぶ生涯活躍のまちを勝手に応援するプロジェクト、GOTCHA !! RALLY 第1弾 室蘭トンギスカンが終了しました。オンラインでのフィナーレでは北海道から沖縄まで参加者が集い、楽しい交流の場となりました。オンラインはどうしても視聴覚が優先するメディアですが、同時に同じものを食べることで味覚や嗅覚も共有できたことがよかったのだと思います。

GOTCHA !! RALLYが目指すのは、国際金融市場で使われるような貨幣価値だけしか語らない「冷たい貨幣」ではなく、交換価値以上のもの、すなわち「お金では買えない価値がお金に乗せられている」「人と人との関係のなかで使われるお金」=「温かいお金」を回す仕組みをつくることです。

そのエンジンとなって動いてくださったのが社会福祉法人佛子園と公益社団法人青年海外協力協会(JOCA)の皆さん。室蘭市でごちゃまぜのコミュニティ=生涯活躍のまちづくりをすすめるゴチャマーゼ中島の取り扱っているトンギスカンをみんなで買い支え、自らの拠点で売って、あるいは関係者に買ってもらい、一緒に食べて、飲んで、楽しんじゃおうということになりました。

上述の「温かいお金」とは1920年代後半から1930年代前半、とりわけ昭和恐慌の時代に人々がつくりだした庶民金融である「無尽」をイメージしています。「頼母子講」とも呼ばれたそれの仕組みは次のようなものです(以下は内山節著『怯えの時代』新潮選書による)。

会員が20人、毎月の会合で会費を1万円払うとすると、20万円が集まります。このお金を必要としている会員に融資する際に用いられる方法のひとつはセリ。3人が応札し、Aさんが19万円、Bさんが18万円、Cさんが17万円を提示した場合、Cさんが落札し17万円を手にする。ただし、Cさんは20万円を返金しなければならないので、差額の3万円は出資者である全員が受けとる利子となる。つまり最低価格を提示した人が最高金利を示したことになるのです。ただし、たとえばAさんの家族が入院して大変になっているというような場合、Aさんが19万8,000円の入札価格を示したとき、他のメンバーは入札しないで、Aさんに落札させる。それによってAさんは低金利で資金調達ができるわけです。

頼母子講の仕組みの特徴は、①外部のシステムに頼らない自分たちの金融、②利子は前払い(利子が利子を生む雪だるま式の「借金」は生じない)、③メンバーがよく知り合っている少人数――通常は20~30人程度――ゆえにお互いの配慮が働くことにあると思います。

今回のGOTCHA !! RALLYは、20近くの拠点が会費を払う代わりに、当事者の取り扱っている産品を買って、売って、食べて、応援する仕組みと考えていただければよいと思います。

次回は「室蘭のトンギスカン鍋を使っての沖縄ゴーヤチャンプルー」に決定。チャンプルー=ごちゃまぜと打ってつけの第二弾です。

下記は5月8日(日)に那覇文化芸術劇場なははーとで上演された「那覇市制100周年記念 市民ごちゃまぜミュージカル」の後の出演者、スタッフ、関係者の記念撮影です。そこでは「ごちゃまぜ」のまちづくりを各地で展開している佛子園理事長、青年海外協力協会会長、そして当協議会会長でもある雄谷良成から皆さんへのお礼と労いの言葉がかけられました。

沖縄の次は、今回参加いただいた柳井市あるいは高知市など、全国5カ所以上で展開するようになれば 、佛子園とJOCAに依存する形から多面的なものに広がっていくでしょう。

令和の頼母子講。お互いの顔がみえるメンバーが増えればと思っています。