石川県輪島市の「輪島KABULET」(社会福祉法人佛子園とのJV)、広島県安芸太田町の「月ヶ瀬温泉」に続く、青年海外協力協会(JOCA)の拠点となる宮城県岩沼市で来春の「IWANUMA WAY」オープンに向けて準備が進んでいます。

「IWANUMA WAY」のスタートは2011年の東日本大震災でした。青年海外協力隊経験であるJOCAのスタッフが仮設住宅に住む被災者の方々への支援に取り組み、一人の自死者も出すこともなく、コミュニティを維持するお手伝いをしてきました。そうした活動を経て、2016年4月より岩沼版「生涯活躍のまち」を目指した「IWANUMA WAYプロジェクト」がスタートしたのです。

まちなかに点在する空き家を利活用した輪島KABULET、中山間地のコミュニティ再生を図る月ヶ瀬温泉に対して、IWANUMA WAYは保育所、温泉、ウエルネスジム、食事処等を備えた2階建ての複合型福祉施設になります。仙台市の郊外に位置する人口4万4,000人強の岩沼市は仙台国際空港も近く、日本国籍の人も、外国籍の人も交ざったコミュニティを目指すとともに、現在、「ひつじ村」(震災により流されてしまった集落の跡地に除草目的で羊が放牧されたことから始まり、その後、周辺が整備され動物との触れ合いが楽しめるスポットになりました)のある広大な土地を使っての畑や花壇、運動場などの整備も視野に入れた大規模なプロジェクトといえます。

写真は先日開かれたIWANUMA WAYでの就労継続支援を利用する方の親御さんによる「岩沼市障害児者親の会」の方々との工場見学会の一コマ。「わくわくする施設だね」との声が上がったそうです。また、施設内の保育所「J’s保育園」への入所申し込みが始まったところ、窓口となる岩沼市には「普段は、母と子だけの生活なので色々な人との交流や出会いを望んでます」というお母さんも来られたとのこと。

IWANUWA WAYは、都市近郊で世代交代が進まず高齢化が進むニュータウンの再生モデルになるかもしれませんが、山や丘陵を切り開いてつくった住まいと違うのは、輪島市や安芸太田町と同様、かつて人々が暮らしてきた歴史もしのばせるところ。だからIWANUWA WAYなのですが、その理由はまたあらためて。