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GOTCHA!WELLNESS 駒ケ根がオープン
「ほかのスポーツジムはプログラムががっちり決まっていて、ぼくなんかはついついやりすぎてしまうんだ。その点、ここはふらりと入って、ちょっと身体を動かすのにもいいね」
9月4日に(公社)青年海外協力協会(JOCA)が本部のある長野県駒ケ根市の銀座商店街にオープンした「GOTCHA!WELLNESS 駒ケ根」で、早速トレーニングに訪れた岩佐さん(冒頭の写真。地元のテレビ局からインタビューを受けています)に声をかけたところ、元気な声で応えてくれました。趣味は山歩きだそうで、身のこなしは実に軽快。聞けば、御年77歳とのこと。
「これまで(スポーツジムで)はへとへとになるまで運動してしまって、終わった後は疲れ切って一日が終わってしまう感じだった。それではよくないなあと思っていたところ、ここの(オープン前の)お試しをしたとき、『これだったら、商店街に用事があるついでに立ち寄るのにもいいな』と思ったんだね」
普段の暮らしのなかで気軽に使いたいと岩佐さん。ランニングマシーンを使っていた女性は、病気をしていたので、そのリハビリ、そしてダイエットのために会員になったそうです。「GOTCHA!WELLNESS 駒ケ根」のよさは? と聞くと、
「インストラクターの方々がとても気さくで感じのいいところ」
オープニング・セレモニーでは、「GOTCHA!WELLNESS 駒ケ根」の立つ銀座商店街・銀座町内会の福澤治朗会長が挨拶でこう語っておられました。
「商店街の空き店舗がこんな素晴らしい施設に。JOCAが来てくださったおかげで商店街が変わりました。(GOTCHA!WELLNESSのモデルとなる)佛子園の施設に比べると足りないところもありますが、駒ケ根バージョンとして磨きをかけていきたいと思います」
「商店街はただモノを売るだけではこれからの時代(存続していくの)は難しい」という福澤会長。「駒ケ根バージョン」とは新しい時代の商店街のあり方でもあるのでしょう。
「私が子どものころは本屋さんやレコードショップなどもあった銀座商店街でしたが、お店の数も少なくなり、この半世紀、新しい建物ができませんでした。そこに『GOTCHA!WELLNESS 駒ケ根』が生まれました」というのは伊藤祐三・駒ケ根市長です。伊藤市長は商店街の未来について、
「ネットの時代の商店街はリアルな交流を紡ぐ場として重要な役割を果たすと思います。そこにいなければできないこと。年齢も、国籍も、障害のあるなしも、人と人とを分け隔てる壁を超える広場のようなまちを目指したい」
伊藤市長は市街地と3,000m級の山々が近接する駒ケ根市の特性も強調されていました。その点については、主催者として挨拶に立ったJOCAの雄谷良成会長はこう語っています。
「将来、リニアが開通されると、駒ケ根市は東京、名古屋、大阪から約1時間でアクセスが可能になる。3大都市、いずれからも近く、かつこれほどの自然豊かな地は、日本中探してもどこにもありません」
駒ケ根市には国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊訓練所があります。雄谷会長はかつてここでの訓練を経て、昭和61年度青年海外協力隊員としてドミニカ共和国に派遣されました。
「あの頃は中央アルプスと南アルプスの雄大な風景を眺める余裕はなく、合宿での派遣前訓練に明け暮れ、休みの日には(訓練所のある高地から商店街のある)町中に下りては飲んで、また帰るような日々でした。JOCAが自分たちの原点に返ろうと駒ケ根市に本部を移転して3年。多くの人に助けられて、ここまで来られたことに感謝します」
GOTCHA!WELLNESSのプロジェクトが本格的に始まってから1年半で、こうしてオープンを迎える、そのスピードに駒ケ根市議会の小林敏夫議長、そして駒ケ根商工会議所の福澤秀宏会頭も驚きと称賛の言葉。そして土地を提供してくださった地権者の方、そして商店街の方々への感謝の気持ちも述べられました。
お2人の挨拶で共通するのは、「GOTCHA!WELLNESS 駒ケ根」の運営をJOCA任せにするのではなく、市民も一緒になって育んでいこうというところ。
「仲間を誘い、人を呼び込んでいきましょう。訪れる人が増えると、迎え入れる人も増える。令和の賑わいづくり、新しい価値を創造しましょう」(福澤会頭)
人と人との垣根を超えた市民参加型の健康づくり。新しい時代の商店街のモデルとしても注目です。