3月7日、一般社団法人在宅栄養ケア推進基金業務執行理事の冨田実さんを講師にお招きし、低栄養指導、いきいき百歳体操、健康相談など、高齢者のフレイル予防を促進しながら取り組む地域づくりについてお話いただきました。

大事なポイントは行政の補助金に依存しない自走の仕組みを目指している点。商店街にある薬局を拠点に「低栄養を早期発見する体制を創る」ことで、それが薬への依存から食の重視へと生活がシフトし、それによって1次産業の発展、雇用の創出、さらには移住者の受入にまで広がっていく。そうしたスキームを、様々な事例やデータを紹介しながら説明してくださりました。

共生社会モデルをつくっていくには多業種間の連携が不可欠。質疑応答で参加者から「どうしてこんなふうに広く関係を築いていけたのですか」との問いに、冨田さんは「怖いもの見たさで、関心のある人や団体にどんどん出かけていきました。ここまでくるのに苦労はありました。門前払いもしばしばでしたし。ただ、必ずエビデンスをもってこのプロジェクトの意義について説明したことで、理解いただいたのではないかと思います」。

最近は、鳥取県出身の高知大学卒業生が高知県香美市に移り住み、地元住民から農産物をおすそ分けいただくことで運営する「おすそわけ食堂」を参考に、冨田さんたちが拠点とする健康サポートセンター が入っている高知市帯屋町商店街の帯屋町チェントロビル2階のフロアで、高知県立大学で管理栄養士を目指す学生が実践で食堂経営を学べる「健康志向食堂」を6月1日オープン予定とのこと。地元企業が協賛し、運営を支援。起業家の育成にもつながっています。

生涯活躍のまちにとって不可欠な分野横断的な活動事例を紹介いただいた貴重な勉強会となりました。

冨田さんは全国でこのようなスキームを広げる活動もされています。ご関心のある自治体や企業の方、事務局まで(info@shougaikatsuyaku.town)ご一報ください。ご本人の連絡先をお知らせします。