JOCA×3とは(公社)青年海外協力協会(JOCA)の安芸太田町における拠点の名称です。広島県西部の内陸に位置する同町は、2004年に加計町、筒賀村、戸河内町が合併して生まれました。「×3」とは、×(かけ=加計)と3(さん=上記の三町村)を「かけ」合わせたもの。「ジョカカケサン」と呼んでください。

拠点にある温泉は「月ケ瀬温泉」といいます。名前の由来は、1930年代にこの地を訪れた詩人、野口雨情が町中を流れる太田川の川面に映る月を見て書いた詩--

「月が照ります 月ヶ瀬あたり 水も砕けて 月と寝る 月と寝る」をJOCAの雄谷会長が見つけたのがきっかけです。

JOCA×3の建物は 旧「栗栖旅館」を改修してできました(設計は石川県金沢市に本社を置く五井建築研究所)。鉄道の枕木などに使う木材を運ぶ筏船が停泊した船着き場跡と思われる石垣、いまはなき線路のために架けられた橋など、周辺には過去を偲ばせる様々なものを目にします。

先に行われた内覧会では「栗栖旅館」にあったお茶室や庭をご存知の方が、そこにあった石灯篭を露天風呂の小さな植栽スペースに使っているのを見て、「これを残してくださったのね」とうれしそうにしておられたそうです。住民の方々は町の記憶を大切にされているのですね。

同町の人口は現在約6,100人。かつて水運業で栄えたまちも、いまでは川の水位が下がり、鉄道は廃止され、拠点周辺地域に限れば、高齢化率は約50%に上っています。そうしたところで住民の皆さんが集える居場所が生まれる。子どもも高齢者も、障害のある人も、ない人も。日本国籍の人も、外国籍の人も。ごちゃまぜで元気に暮らせる、そんなまちに生まれ変わろうとしています。

JOCA単独としては初めて取り組む安芸太田町での生涯活躍のまちづくりは、人口減と高齢化に直面する全国各地の中山間地にとっての希望と再生のモデルになるのではないでしょうか。

もうすぐオープンするJOCA×3でも元気なスタッフが皆さんのお越しをお待ちしています。