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『生涯活躍のまち』最新号の特集は「令和6年能登半島地震」
なぜ仮設住宅の運営なのか――発災の翌日に社会福祉法人佛子園の雄谷良成理事長が重要課題のひとつとして挙げた「仮設住宅の場所の選定および運営計画の検討」に若干戸惑った。
自分が救急救命のプロでもないのに、超急性期でテンションが上がっていたのだろう。その後に立ち上げられた佛子園と公益社団法人青年海外協力協会(JOCA。雄谷理事長はJOCA会長も務める)合同の災害対策本部の会議の場では、同会議メンバーの役割(ロジ、人材、車両、ボランティア、広報)を明確にし、指揮系統をより意識して動くことが再確認された。
ロジスティクス(兵站)は、戦争における作戦部隊の移動を計画し、後方から援護する軍事用語であるが、「戦争」を「災害」に、「作戦」を「支援」に置き換えても通じる。後方部隊が機能しなければ、前線にいる者が倒れてしまう。同理事長からは「対策本部が浮足立っていると、その空気が組織全体を覆うことになる。目の前のことに対応するのが前線部隊であるすれば、大局的な見方をするのが対策本部であることを心得る」よう念押しがあった。
災害対策会議では、雄谷理事長が、現下の状況を明治維新前夜、関東大震災後、第二次世界大戦後の日本と重ねる場もあった。何をオーバーな、と思われるかもしれない。しかし、歴史の転換期の渦中にいる者は、えてしてそれに気づかないということがある。「大局的な見方」が必要なゆえんである。
今号では発災から数週間の動きについて、とくに仮設住宅の運営に焦点を絞り、歴史の転換点という視点をもって報告する。
前号で予告していた特集、佛子園・JOCA合同のイタリア・サルデーニャ島での海外研修の第2部は延期した。優先度を考えれば致し方ないが、われわれがかの地で経験したことは現在の支援活動に活かされているということも、後々言及していきたい。