「能登は(豪雨で)厳しいことになっています。でも、ぼくたちがここで落ち込んでいたらだめ。小松からエールを届けましょう!」。GEN & SMILEY’Sのリーダー、GENさんがステージから高らかに声を上げました。

 昨年に続いて2回目となる”駅ビアこまつ2024”は9月21日~22日の2日間にわたってJR小松駅前の小松市民公園で開催されました。小松駅の新幹線駅開通に合わせ、駅前に賑わいを、駅前商店街を元気に、をコンセプトに始まったこのビアフェス。まちなかを歩く人たちを増やすことで、郊外に車で買い物に行く人たちを呼び戻そうという目的も。ビールを飲むのだから、列車や新幹線、バスなど公共交通を使ってもらうことになります。小松では、伝統芸能「曳山子供歌舞伎」が江戸時代から脈々と受け継がれてり、「勧進帳」の舞台(「安宅の関」)にもなりました。駅前には公立小松大学がある。まちの再生に活かせる要素がたくさんあるフェスでもあるのです。

 今年のテーマは「震災復興」と「沖縄」。2019年の首里城火災の際に多大な支援をしてくださった石川県の方々に、沖縄県、そして石川県在住の沖縄県人の方々がお返しをしたい。年初の能登半島地震の被災者の皆さんへの思いも伝えたいというメッセージが込められています。くしくもこの日、奥能登では未曽有の豪雨災害に見舞われました。冒頭のGENさんの言葉はフェス全体の声です。

 挨拶では、主催者代表・社会福祉法人佛子園の雄谷良成理事長が「私たちはワンチームとして能登半島を支援していく」、仮設住宅の設立に尽力された衆議院議員の佐々木紀さんが「早期の復興への思い」を語り、参議院議員の宮本周司さんからは「買って、食べて、広めて、能登半島を応援しましょう」との呼びかけがありました。

来賓の佐々木紀・衆議院議員(右)にもボケる雄谷理事長(中央)

 そして「小松から能登半島へ元気を届けましょう」との宮橋勝栄・小松市長の音頭で乾杯。

乾杯は宮橋勝栄・小松市長(右)の音頭で。左はMCを務める石川県住みます芸人「ぶんぶんボウル」の2人。その隣が宮本周司参議院議員

 今年も北陸3県の住みます芸人が登壇しました。冒頭の主催者挨拶に立った雄谷良成理事長のボケにもすぐにツッコミが入る。佛子園のイベントにも2年前くらいから出演しているので、息が合っています。地域と一緒に笑いを生む、住みます芸人ならではかも。

笑顔で乾杯

 今年も北陸3県から名だたるブルワリーのビールがお目見え。高校時代の友人という2人のうちの一人は「普段はあんまりビールは飲まないんですけれど、北陸のクラフトビールはいろいろな味がおいしくて、今日は飲んでます」。また、家族や友人の皆さんと楽しんでくださる方々も。小松中央通りで家具店を営まれていたという女性は現在、金沢市にお住まいですが、「(生まれ故郷の)小松がこうして盛り上がるのはうれしい」と語っておられました。

高校の同級生。久しぶりの故郷での再会
家族、友人、みんなで楽しんで

 ステージ・プログラムは多士済々。初日に出演したジュスカ・グランペール。jusqu’à Grand-Pèreとはフランス語で「おじいさんになるまで」という意味。白髪になるまで音楽活動を続けて行きたいという気持ちで名づけられたsぷです。ギターの高井博章さん&バイオリンのひろせまことさんのデュオと、能登和太鼓奏者・今井昴さんのコラボは圧巻。ときどき落ちてくる雨もぜんぜん気にならないくらいの熱気が会場を包みました。

 今年も自慢のビールや食事を提供してくださっているブースに住みます芸人の皆さんが訪れ、ビールの特性の紹介や食レポをしてくれました。

右下は福井県住みます芸人・飯めしあがれこにおさんの毎回恒例炊飯器海苔アート

 NOTO, NOT ALONE研究所、航空自衛隊 小松基地、沖縄県、IR鉄道のブースも出展されました。

 素敵なライブの連続。最後は沖縄から来られた、三線奏者・よはな徹さん。沁みる歌からアップテンポの曲まで。ラストの曲ではご覧の通り。

 音楽LIVE以外も。大道芸人ルークさんは娘のぴかりんちゃんとすご技を披露。

 BMXプロライダーの大嶋蓮さん。広場が濡れているためパフォーマンスは難しいと思われていたのですが、スタッフが新聞紙やビニールシートを敷いて乾かし、その限られた狭い空間にもかかわらず、これぞプロ!の技を見せてくださいました。

 終盤はビールチャンピオンの決定です。飲んだ分だけシールをコップに貼り、一番多かった人にはこの大会特製Tシャツをプレゼント。初日は19杯が2名、2日目は36杯が2名と並び、事務局から最後の祝いの1杯を飲んでもらって、じゃんけんで優勝者を決めました。

 お楽しみはまだまだ続きます。駅ビアこまつ2024の開催前にアップされたショート動画のコンテスト。再生回数を競うというもので、ブース出展部門では炭火焼き鳥「太陽」で優勝賞品はNOTO, NOT ALONE研究所の商品一式、住みます芸人部門は富山県住みます芸人・ノビ山本さんで優勝者には年内に3回出演オファーあり、というものでした。他の動画は、駅ビア小松(@ekibeer_komatsu) • Instagramをご覧ください。

ブース出典部門1位
住みます芸人部門1位

 まだあります。お客さん向け大抽選会です。当日はチケット制(200円券10枚で1セット)で、その半券を事務局に渡して、住みます芸人さんたちに引いてもらうというもの。全国からいろいろな景品が寄せられました。一番のそれは、ブースも出展していただいた株式会社日本旅行さんからの3万円分旅行券。当選した男性は親御さんにプレゼントするとのことでした。

 おもしろ企画が満載の駅ビアこまつ2024。最後はみんなでテーマソング「うま~い、ビールをもう一杯!」を歌って幕。2日間のビアフェスが終わりました。

来年、またお会いしましょう