7月16日(金)に開催した埼玉県秩父市と生涯活躍のまちアドバイザーのオンライン勉強会でのテーマは「交流・居場所」。

生涯活躍のまちに関心がある、あるいは取り組みを検討中という自治体では、地域の課題は何かを掘り起こす作業から始まることが多いのですが、生涯活躍のまちの先進自治体である秩父市は、この勉強会向けに議論のターゲットを、まちなかのサービス付き高齢者向け住宅「ゆいま~る花の木」に併設されている「花の木交流センター」をいかに住民の居場所として開かれたものとし、多くの方々に利用してもらうか、に絞りました。

内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局の大河原参事官補佐からは、生涯活躍のまちが第1期のアクティブシニアの地方移住から、第2期は全世代の活躍へ対象を広げたその意義についてご説明があり、意見交換では多くのコメントや提案が寄せられました。ポイントは、①交流センターの運営をエリア全体で考える、②その上で周囲の方々を巻き込んでいく、③目的がなくても気軽に集まれる心地よい空間(自宅でも職場でもいないサードプレイス)にする、に分けられました。

①では、 花の木交流センターの機能を近くにある小学校などの公共空間にまで広げ、そこでは同センターでできないことをやる。また、同センターの専門性を高めることで、「ここに来れば相談に乗ってくれる」という機能ももつようにする、など、地域にある資源を活用し、各々が役割を担うエリアマネージメントの発想の必要性が指摘されました。

②では、高齢者が集うには、若い世代が集うには、多世代が交ざるには、といった観点から、健康ポイントカードを有効活用した活動、学童保育や学校サテライトとしての利用、映画上映やマルシェの開催など、多彩なアイデアが出されました。それらを実現するためには、積極的に地域に入っていき、住民のニーズを汲んで事業化を考える人材の育成も重要とのこと。

③では、何かがなくても、ふらりと訪れて、ゆったりとコーヒーでも飲める心地よさをつくることの大切さが語られました。そこで自然と会話が交わされるようになれば、集まった人たちが自然発生的に何かを始めるかもしれない。目的なく集まってくれる人は地域のお困りごとの解決にひと肌脱いでくれるかもしれない。それは「活躍・しごと」にもつながっていきます。

アドバイザーの皆さんからは専門性を生かした提案が次々と出され、2時間があッという間に過ぎました。今回の内容を議事録にまとめ、まずどこから取り組むか、どうやって進めるか、を次のステップにしたいと思います。

こうしたアドバイザーとの勉強会は、同じくアドバイザーでもある同市市長室長の引間淳夫さんのご提案でもあり、こうした会を重ねながら、アドバイザーが課題解決のために現場へ入っていく道筋をつくっていければと考えています。この場を設定いただいた引間さんはじめ、議論にもご参加いただいた市長室専門員兼地域政策課長の荻野茂樹さん、地域政策課主査の山中伸吾さん、ありがとうございました。