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佛子園の「小松KABULET」がオープン
6月1日(木)に石川県のJR小松駅の高架下に社会福祉法人佛子園が運営する「小松KABULET」がオープンしました。店内では佛子園が県内の拠点で提供している「やぶ蕎麦」「中華そば いぶき」「鬍鬚張魯肉飯」「丹COFFEE」「日本海倶楽部のクラフトビール」のほか、新たに「卵かけご飯」、小松市内の江戸時代から続く老舗「松葉屋」の「月よみ山路の栗むし羊羹」もメニューとして販売されています。
地元の商品や地域で獲れた野菜、伝統工芸の九谷焼の購入も可能ですが、「小松KABULET」は単なるショップではありません。フリースペースとして自由に時間を過ごすことのできる空間にもなっており、初日から高校生が勉強をする姿も見られました。
さらには昭和30年代に全国各地で流行した「スマートボール」で遊べたり、なつかしいおもちゃやレコードなどが展示されていたり、そして商店街のお店のデザインを継承するなど、かつての賑わいの雰囲気も演出しています。
視察に訪れたオープン時に訪れた宮橋勝栄・小松市長も「小松KABULET」に、「飲食店に留まらない、小松の人々が気軽に集まれる居場所になること」を期待しています。当日取材に来ていたNHKのインタビューには「(小松KABULETは)外見はおしゃれだが、なかは“ごちゃごちゃ”していて面白い」とコメントしていました。
「小松KABULET」は佛子園のアンテナショップであると同時に、地元の逸品も販売することで、シャッター通りになっている商店街の再生を目指しています。雄谷良成・理事長は、佛子園がすでに同じ北陸本線・JR美川駅の駅舎内で運営している美川37cafeに言及しながら、
「それを成功事例とし、落下傘的に小松駅に入っても失敗します。大切なのは小松の人々が何を望んでいるのかを知り、それに応えることです」
佛子園は本プロジェクトに取り組むことが決まってから、「小松KABULET」が駅と商店街をつなぐ機能を担えるよう、駅前エリアにおける課題やニーズの調査を続けてきました。雄谷理事長は「小松KABULET」の背景には数々のSTORY、HISTORY、PHILOSOPHYがあるといいます。
「単なるフードコートであれば、お客さんを楽しい気持ちにさせることを考えればいいけれども、小松KABULETは、ぼくたちが、そして小松市がこれまで培ってきた物語と歴史も提供する。店内はそれが感じられるつくりにしました」
その根底にある哲学は「地域を元気にする」こと。
小松駅は来年4月に福井県敦賀まで延伸する北陸新幹線の停車駅となります。地域の新たな拠点として、いろいろ仕掛けも考えているとのこと。駅前エリア再生の新たな試みとなる本プロジェクトに注目です。