2020年度から5年間の第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が12月20日に閣議決定されました。詳細はまち・ひと・しごと創生本部のHPをご覧ください。→ https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/info/#an17

同月9日~11日には当協議会が事務局として運営している「生涯活躍のまちアドバイザー研修講座」が大阪で開催されました。そこで、 まち・ひと・しごと創生本部事務局の中野孝浩内閣参事官が行ってくださった「生涯活躍のまちについて」と題する基調報告によれば、生涯活躍のまちとは「あらゆる世代の誰もが、移住・定住、関係人口を問わず、『居場所』と『役割』をもって『つながり』、生涯を通じて健康でアクティブに活躍することができ」、万一、「医療や介護が必要となった場合でも、人生の最終段階まで尊厳ある生活を送ることができる」コミュニティでもあり、そのための考え方として、①エリア全体の魅力を向上させること(点から面へ)、②あらゆる人と人がまじわる「ごちゃまぜ」のしかけづくり、③官民連携の徹底や脱縦割り、脱自己完結、④住民参画型のコミュニティづくり、⑤ ICTなどの技術の活用や空間デザインの重視が挙げられました。

上記からもわかるとおり、これからの生涯活躍のまちは、「全世代活躍」へとシフトしていきます。

ひとつの例をご紹介しましょう。ある不動産管理会社が行っているもので、地域貢献も重視する同社は社屋の一部を地元の方向けのコンサートやコミュニティレストランとして提供しているそうです。その売り上げの2割が収入になるのですが、演奏家はそこをリハーサル的な場として使い、聴衆は安い入場料でプロの音楽を味わえる。コミュニティレストランでは、近所のおかあさん方が厨房を使って地元の人々に食事を提供する、あるいは地元の人々とごはんをつくり、一緒に食べる。そのことで交流が広がる--そんな変幻自在な居場所が生まれているのです。会社にとっては、そうした活動が土地の価値を上げるので、三方よしの活動といえるでしょう。

中野参事官は、 大都市圏、地方都市、中山間地といった地域特性に応じたまちづくりについても強調しておられました。そこにどんな資源があり、どのように活用できるのか。地元のニーズを掘り起こしながら考える。それを官民あるいは事業者間の連携で進めれば、それほどの手勢はいらず、生涯活躍のまちのモデルをつくることができるでしょう。

まずは小さいところから、手探りをしながら進めてみる。生涯活躍のまちのネクストステージが始まろうとしています。