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認知的焦点化理論について
先般、当協議会の会長である雄谷良成(社会福祉法人佛子園理事長、公益社団法人青年海外協力協会会長)より上記の理論が紹介されました。コミュニティにも深く関わる内容なのでその話を以下に引用します。
「運がいい人」と「運の悪い人」という言い方がある。それはあたかも偶然の産物にように聞こえますが、物事には必ず理由があります。
標記のグラフを見てください。横軸は人間関係、縦軸は時間。すなわち目の前にはいない人にどれだけ思いを寄せられるか、身近な人の集団を超えて、どれだけ広い共同体を想像できるか、その「配慮範囲」とその人の「幸せ度」は比例するというのです。
利己主義の人は、自分のことしか考えないから、周りにも自分のことしか考えない人しか集まりません。そこで生じるのは利用し、利用される関係。相手が自分の得にならないと思ったら、つながりが断たれる「不幸せ」な人。友人たちをもち、子どもたちの将来を考えるのは「普通の人」で、一番多い層にかもしれません。そこを超えて、自分と知人、他人とのつながりを考え、社会の将来を、いわば自分事として想像できる「利己主義者」は「幸せ」になれる。
「ぼくは困ったときに誰かに助けてもらった。それは自分の配慮範囲が広かったからではないか。その時間軸の長さと人間関係の広さのおかげだと思う」(雄谷)。「あいつは運がいいから」とひがみっぽく見る人は、おそらく「利己主義者」=「運が悪い人」の域を脱することができないのではないでしょうか。ちなみに自分のことだけ、そして今だけしか考えられない人は犯罪に走ってしまう可能性が高くなります。
配慮範囲をどうやって広げていくか。それが「ごちゃまぜ」の試みであり、幸せな人が多い場所にいると、あなたもおのずと幸せな気持ちになれる。そんなコミュニティ=「生涯活躍のまち」が全国各地で生まれるよう私たちはサポートしていきたいと考えています。
「幸せな人はどこにいても幸せになれる」「かっこいい人はどこにいてもかっこいい」(雄谷会長談)。そんな人が集まれる場所ってどんなところなのでしょう? 地域の人口や経済の規模、自然環境、文化や慣習などによって様々な形があるのではないか。だから面白い。
それを「面白い」と思ってくださる方と一緒につくっていきたいなあと思うこの頃です。