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今年の駅ビア小松2025のテーマは「万博」と「アニメ」

今年で3年目となる石川県小松市のJRおよびIRいしかわ鉄道の小松駅前で開催されるビアフェスは、8月30日(土)の夏の開催となりました。冒頭、主催者である社会福祉法人佛子園の雄谷良成理事長は次のように挨拶しました。

「なんでこんな暑い日にイベントをやるのか、と思う人もいるかもしれません。でも毎年、このような祭りをしていると、参加してくださった方が「今年も来たなあ、ここではよくビール飲んだなあ」という思いをもってくれるようになります。とくに何かをやらなくていいんです。いろいろな人が集まって、この場で食べたり、飲んだりしているという感覚が、実は災害に対する強みを発揮する。能登半島では発災後もキリコ祭りをやろうという気運が変わらず上がりました。どうか皆さん、今日を人と人とがつながる日としてお過ごしください」
雄谷理事長がいう「災害に強い」とはどういうことか。下記のアンケート結果をご覧ください。災害時に助けてくれる人は誰かという質問に対しては、そのほとんどが自力、家族、友人・隣人と答えており、通行人や救助隊はほんのわずかです(図1)。大都市にいくほど「困っている人がいても助けようとは思わない」人が多くなる傾向がある(図2)のは、普段の近所付き合いが希薄で、お互い顔の見える関係にはなっていないから(図3)でしょう。



「ふだん付き合う機会をない」「あまりかかわりを持ちたくない」「地域に人と知り合うきっかけがない」に対して、「機会をつくる」「かかわりを持つ」「知り合うきっかけが生まれる」ものとしてお祭りがあります。一過性でない、地域で長く続くイベントです。
駅ビア小松2025に話を戻しましょう。雄谷理事長の後には、佐々木紀・衆議院議員、宮本周司・参議院議員の挨拶があり、最後は宮橋勝栄・小松市長の乾杯の音頭。GEN & Smiley’sの「うまいビールをもう一杯」とともに幕を開けました。

今年は万博イヤーにちなんで世界各国の料理(ブラジルのシュラスコ、イギリスのフィッシュ&チップス、タラのビルビル、台湾の魯肉飯、中国の小籠包、インドのタンドリーチキン、ドイツのアイスバイン等々)を提供するお店がならびました。

北陸各地のブルワリーの皆さんも出展。夏休みを利用して埼玉県から来られたという男性は、「北陸のブルワリーさんのビールはとくにおいしいんですよね」と顔をほころばせていました。

初めての出店となるBeto Coco Brewing(福井県あらわ市)の伊藤実男さん・美咲さんご夫妻は、夕方には「Sold Out」の看板を掲げ、「こんなに人が集まるとは思いませんでした」と驚きの表情。伊藤さんご夫妻によれば、「今回は当店の常連さんも周りのビール好きを誘って、駅ビア小松に来てくれたんです」。ブルワリーさんが地元の方々を呼んでくれているんですね。

今年のもうひとつのテーマ「アニメ」。2026年には金沢市でアニソンフェス「アニ・エールフェス 2026」が開催されます。同フェス目的は能登半島地震の復興支援。音楽の力で北陸全体を盛り上げるというものであり、ならばそれに先立ってやろうとなりました。14時からのアニメステージは、ものまね芸人・Gたかしさんの進行で、Ayumuさん、櫻川めぐさん、そしてジブリ映画の歌手として知られる井上あずみさんと娘のゆーゆさん(金沢出身の井上さんは一般社団法人石川アニメ文化推進協会アンバサダーを務めています)がすてきな歌声を披露してくれました。
「私たち、スタジオジブリの映画--とくに『天空の城ラピュタ』--が大好きで、(駅ビア小松で)初めて生の歌声が聞けると思って来たんです」。こう話してくれたのは金沢市、野々市市から来られた2人の大学生でした。井上あずみさんとゆーゆさんが歌ってくれた『となりのトトロ』から「さんぽ」「となりのトトロ」、『天空の城ラピュタ』から主題歌「君のをのせて」、そして『魔女の宅急便』のテーマソング「ルージュの伝言」に「もう私たち感激して、涙が止まりませんでした」。

ステージの終盤では、アイドルのコンサートなどを盛り上げる「ヲタ芸」グループであるRiver Stoneの皆さんが、アニメソングに乗って、青、緑、オレンジ色のペンライトを振りながら、素早い動く、正確なフォーメーションチェンジを披露してくれました。
駅ビア小松は今年で3回目。小松駅のエリアは少しずつ変わってきているそうです。
「少しずつ新しい飲食店が生まれています」というのは株式会社こまつ賑わいセンター代表取締役社長の小林太一さん。同社は小松市街地の整備改善や商業の活性化を一体的に行う事業者として、小松市、小松商工会議所、金融機関、市内企業および中心商店街関係者が中心となり設立されました。現在は、小松駅周辺の利活用促進、カブッキーランドの自主運営事業に取り組んでいます。

「小松駅周辺は、他の地方都市とは違って、駅前に繁華街がある。そもそも「飲み」の文化があるんです。ところが車社会となり、買い物など郊外に行く人が増えて、駅前に人通りがなくなっていった。そこで始まったのが駅ビア小松。このフェスの影響は小さくないと思います」

フィナーレでは、会場に面する石川県小松市團十郎芸術劇場うらら大ホールで開催していたよしもと「THE SECOND ライブツアー」に出演していたモンスターエンジンも登壇。駅ビア小松2025動画ベスト3の発表(1位は中出精肉店さんでした)、ビールチャンピオンの決定(今年は27杯!)、そして会場が期待でざわつく多彩な商品の揃う抽選会が行われました。「駅ビア小松」が小松市のイベントとして定着し、ここに来れば人のつながりを感じられるものになっていく。そんな予感をもって幕となりました。
