村木厚子さんの著書は平易な言葉で書かれている。難しい専門用語やひねったレトリックはない。でも、いや、だからこそ読者は深いところまで導いていかれる―― そんな読後感を抱く。
 ご本人からお話を聞くときも同じだった。やさしい言葉で、ゆっくりと、しかも無駄なく、中身は深く。したがって一言一句に集中して耳を傾けるのだが、そのなかで、ときおり発せられるのが「生き生き」「わくわく」、そして「キラキラ」といった表現だった。こちらはそこでほっと息をつく。そしていろいろなイメージが湧いてくるのである。
 特集のタイトル、村木さんの印象とは異なると受け取る方がいるかもしれない。しかし、そのギャップも、「かっこいい福祉」(村木厚子さん・今中浩之さんの共著)につながる。インタビューを読んでくださると、その理由がわかっていただけると思う。