輪島市の仮設住宅マリンタウン団地の敷地内にできた「コミセン マリンタウンBASE」に引き続き、5月4日には同市門前町で「コミセン門前BASE」がオープンしました。以下、現場からの報告です。

右から司会の上岡克彦さん、雄谷良成・佛子園理事長/JOCA会長、宮下正博・石川県議会議員、坂口茂・輪島市長

「東日本大震災でも熊本地震でもこういうところ(コミュニティセンター)はできませんでした。(仮設住宅のなかにコミセンが必要だという佛子園と青年海外協力協会=JOCAの考えを理解してくれた)坂口市長は、石川県から早く仮設住宅をつくるよう要請を受けるなか、コミセンのための土地を確保してくれました。風呂も食堂もあるここは誰もが集まれる場所です。学校から帰ってきたら、宿題するのもよし。皆さんの場所として使ってください」という雄谷良成・佛子園理事長、JOCA会長の挨拶を受けて、坂口茂・輪島市長は力強く挨拶しました。

「地震と豪雨により仮設住宅に住む方々は外へ出かける機会が減ってしまいました。そのためにも憩いの場が必要だと考え、訴えてきました。これからの復興のためにここ(コミセン)で元気を取り戻しましょう」。続いて宮下正博・石川県議会議員はみんなの笑いも誘いながら呼びかけます。

「久しぶりに(地元の)とうちゃん、かあちゃんの顔を見て安心しています。待ち望んでいた施設の完成をみんなで喜びましょう。人に会って、お互いに声をかける。飲んで、食べて、裸の付き合いができるところがないとだめ。みんなの施設なんだから、みんなが来てよ」

コミセン食堂で働くのは地元の皆さん。店長の山口晴美さん(中央)は仮設住宅・道下第団地の住民です。
おすすめのコミセンラーメンを召し上がる住民の方々
老いも若きも

仮設住宅・道下第1団地代表の上岡克彦さんの音頭による乾杯の後は、コミセンマリンタウンBASEにも登場した13!Musicによるパフォーマンスとワークショップ。すでに長くプロとして活動している2人ですが、インディアン・フルートを演奏してくれた前川雅俊さんは、コミセンマリンタウンBASEで歌声喫茶のイベントを開いた際、おじいちゃん、おばあちゃんが涙を流しながら歌う姿を見て、「これまでの活動を超える音楽について考えるようになった」とのこと。集まった皆さんも参加するパフォーマンスをしてくれました。

13!Musicのパフォーマンスとワークショップ。空の青と芝生の緑がまぶしい。

司会を務めたのは道下団地に住む下口さんと森さんです。「周辺には飲食店も少なく、住民が集まれる場もなかった。これから口コミで広がっていけばいい」(下口さん)。「このオープンのためにたくさんの方の尽力があった。これを無駄にしないためにも、道下諸岡(地区名)の人たちが中心となって盛り上げていきたい」(森さん)。

森さんは道下の青年団の後継組織として発足した「おんねも会」の代表です。現在は道下地区に限定せず、門前町全体の組織として、若い世代が中心となって町づくりを担っています。

当日のスーパーボウルや輪投げ等の縁日ブースは「おんねも会」が運営しました。

夜になるとコミセン門前BASEはこのとおり。優しい光が仮設住宅の中に灯ります。雄谷良成・佛子園理事長、JOCA会長はこの日をこう表現しました。

街灯が少ない仮設住宅の中に灯台のような基地ができました。