さて、講演の後は鼎談でした。ファシリテーターは青年海外協力協会の堀田直揮事務局長。高度経済成長時代は、お父さんは職場、お母さんは家庭、子どもは学校、高齢者や障害者は施設といったようにエリアが分かれていた。しかし、人口が減少し、右肩上がりの経済ではなくなっている現在、縦割りが立ち行かなくなっている。ならば、もう一回、みんなを地域に戻そう。ただ、そのためには受け皿が必要であり、それが「ごちゃまぜ」コミュニティなのではないか。そんな問題提起とともに始まりました。

中野さんからは「居場所と役割は全国どこでも必要。官民連携のアドバイザーにはニーズを把握し、施策に反映させる役割もある。 官民連携には価値観の共有が大切(行政の公平・平等と民間の事業性・収益性)。首長のリーダーシップに周囲がついていくのがうまくいっている 」、西上さんは「“あの人だからできた問題”があるが、人間は課題解決能力をもっている。それを発揮できるようなリラックスした環境づくりが重要。そこからぽろりと出た言葉に何かがある。そして人は自分が言ったことはやる」、大須賀さんからは「うまくいっている会社や組織は誰も助けてあげようとは思わない。自分たちが解決できることでも、あえて地元の人々に手伝ってもらう。そこで味方ができる。とりあえず移住して空き家の改修は地元の方々とDIYで改修するというやり方もある」といった発言がありました。

参加者からは「・ひとつの話題に対して、それぞれの立場から具体的な話が聞けて視野が広がった」との感想があると同時に、これだけの方々が一堂に集まったからか、「もっと時間がほしかった」という声も。

こうした研修は繰り返し、バージョンアップをしながら、続けていく必要がありそうです。