4月12日(金)に大手町のエコッツェリア協会主催で開催された表記のシンポジムは、国、県、市町村の関係者、ビジネスマン、マスメディア、現役大学生まで多様な参加者が集まりました。

基調講演「基調講演「能登半島の今」において社会福祉法人佛子園の雄谷良成理事長は、被災者であると同時に支援者として活動してきたこの3カ月半を振り返り、発災当初から避難所および仮設住宅の運営を重視してきたこと、そして同法人が奥能登で事業を行ってる日本海倶楽部(能登町)、輪島KABULET(輪島市)をいち早く稼働させたことの意味についても触れました。

三菱総合研究所の松田智生主席研究員が提唱する、首都圏のビジネスマンを地方創生の人材として現地に派遣し、関係人口の拡大を目指す「逆参勤交代」に関しては、能登半島地震の災害支援活動が企業のCSR(企業の社会的責任)を果たすだけでなく、自社の社員を元気にし、上司と部下という関係を超えたチームビルディングにも資する点を指摘。これまであった能登半島に戻すのではなく、超高齢化が進む地域を新しい能登半島に変える=創造的復興を進めている今こそ、よそ者が能登に入り込めるチャンスだと語りました。

左から松田智生さん、雄谷良成さん、竹田知子さん、田口真司さん

その後のシンポジウムでは阿蘇ファームランドの執行役員・社長室長の竹田知子さんが、熊本地震の際の自社の状況、そして同社が運営する健康の専門家が監修する世界唯一のテーマパークのドーム型ホテルが避難所として使われたことなど、災害時に担った同社の役割について説明してくださいました。

エコッツェリア協会 コミュニティ研究所長の田口真司さんによると、逆参勤交代の対象としている大丸有(大手町、丸の内、有楽町)に勤務するビジネスマンの数は2010年代の28万人から35万人に増えたとのこと。むしろ東京一極集中が加速している現状において、能登半島のこれからが日本の形を変えるきっかけになるかもしれない。能登半島版逆参勤交代の画期性が伝わるシンポジムでありました。

シンポジウム後の懇親会では”NOTO, NOT ALONE”ビールで乾杯