11月16日付『朝日新聞』に、駅員が終日いない「無人駅」の数が約20年間で1割増え、2020年3月時点で全体の5割近くになっているという記事が掲載されていました。国交省が鉄道会社の各年度末の駅数と無人駅数を集計。データを取り始めた2002年3月には全国で9,514駅あり、うち無人駅は43・3%にあたる4,120駅だったのが、2020年3月時点で、駅数は9,465駅とほぼ変わらないものの、無人駅は4,564駅と全体の48・2%を占めたそうです。経営状況が厳しい地方鉄道に加え、都市部では一部時間帯に限った無人化も進むことで、駅員が不在になり、電車の乗り降りに支障を訴える障害者も少なくありません。同記事によると、国交省が鉄道事業者向けのガイドラインをつくりはじめたそうです。

https://www.asahi.com/articles/ASNCH65CZNCCUTIL048.html

一方でこんな記事もあります。10月31日付『中日新聞』の「美川 老舗の味盛る 駅カフェ ランチプレート考案」。

https://www.chunichi.co.jp/article/146643

石川県白山市のJR美川駅の構内にある待合室と公共スペースを兼ねた「美川37(みんな)カフェ」が、美川地区の発酵食品などを食べやすく調理し、一皿に盛り付けた「美川のランチプレート」を考案したというもの。美川地区には郷土食を販売する老舗店が点在するものの、手軽に多品目を楽しめる店が少ないと感じていた現場責任者の森沢直樹さんが、「ランチならば幅広い世代に食べてもらえるかも」と企画。スタッフとともにメニューを考案したそうです。  カフェは、社会福祉法人佛子園の障害者向け就労継続支援A型事業所「美川37Work」が運営。佛子園はJR美川駅の指定管理を受託し、カフェだけでなく、ホール運営や保守管理業務、駅舎で開かれる美川あさ市の運営など、地域住民や高齢者、障害者がスタッフとして働いています。就労継続支援A型事業による駅舎管理は日本で初めてです。

冒頭の『朝日新聞』の記事では、「無人駅の増加に伴い、転落事故など安全面での課題も少なくない。各社は無人駅にインターホンを設置して別の駅から遠隔操作したり、必要なら職員を派遣したりして対応するが、障害者からは『鉄道を使うための介助に事前連絡が必要な駅があるのは差別ではないか』との声もあがる」そうです。

今後も増えていくであろう無人駅の利活用に「美川37カフェ」の試みは大いに参考になるのではないでしょうか。