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協働を通して自分を知る、歴史を学ぶことで今が見える~第4回ごちゃまぜ映画会より~
先日、横浜市のあーすぷらざ(公益社団法人青年海外協力協会が運営)で第4回ごちゃまぜ映画会 が開催されました。これまで数々のドキュメンタリー作品を制作してきた伊勢真一監督は自主上映を大切にしており、今回も上映後に観客とのアフタートークが行われたので、その報告を。
「ぼくの作品の半分以上はバリアフリーにしています。バリアフリーというと、建物のなかにスローブを設置するといったことを連想する方もいるかもしれませんが、映画に関しては字幕付き、音声ガイド付きの上映です。バリアフリーは障害のある人にとってだけでなく、健常者にとっても意味があって、漫然と聞き流してしまいそうな言葉や見逃してしまう仕草などに気づくよさがあるんですね」と伊勢監督。
『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』(集英社インターナショナル)という本があります。全盲の白鳥健二さんと仲間が一緒に美術館へ行き、仲間たちが自分の言葉で目の前の作品について語る活動について書かれた作品です。同じ形のものでも、人によって違うものと受け止めたらり、アートに触発されて自分のことを語り出したり。それらを聞いて白鳥さんは作品を想像するのですが、目の見える人も言葉にすることで新たな発見をする。お互いの創造につながるのです。
「自分のことは自分が一番わかっているということはなくて、誰かと何かをするという、人との関係性のなかで自分が見えてくる。今という時代も、今だけを見えていてはわからない。歴史を知ることで見えてくるものだと思うんですね」
伊勢監督が奈緒ちゃんが生まれてから長きにわたってカメラを回し続けてきた意味の一端を示すような言葉でした。
『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』に登場された奈緒ちゃんのお母さんである西村信子さんは「自分が出ている映画が終わった後に登場するなんて恥ずかしい」とおっしゃりつつ、「奈緒の障害について悩み続けながらも、奈緒の天真爛漫さにとても救われた。奈緒は天からの授かりものだと思うようになりました」という言葉がとても印象的でした。
いまウクライナ、ガザ、そしてイランが戦火に見舞われています。
「テレビニュースで流れるイランへの爆撃のシーンは攻撃する側の映像が圧倒的に多いですよね。ぼくらの視線はそれに同化してしまいがちになるけれども、攻撃される側には、テレビ画面には映らない、ささやかな日常がある。それへの想像力を働かせる力がヒューマンドキュメンタリーにはあると思って、ぼくは映画をつくっています」
伊勢監督の最新作は友人の歌手、友部正人さんを追った『遠来~トモベのコトバ』です。4月から劇場公開とのこと。ぜひ映画館に足をお運びください。
