7月15日(木)、福岡県田川市と生涯活躍のまちアドバイザーの勉強会をオンラインで行いました。

炭坑節発祥の地であり、五木寛之さんの小説『青春の門 筑豊編』の舞台でもある田川市は、産業や歴史、文化の魅力に溢れたまちで、人口は昭和30年の約10万人に達していました。しかしながら、その後の炭鉱の閉山の影響もあり、現在は約4万6,000人まで減少しています。市内には、保健医療福祉を担う看護系の福岡県立大学があり、毎年、市外から多くの学生を受け入れているものの、卒業後はほとんどが市を離れてしまうのが現状です。地元の若者も高校を卒業すると首都圏、関西圏、あるいは福岡市、北九州市という県内の大都市へ進学、就職して残らないという悩みがあります。

そこで今回は、市民のためのしごとづくり、「地域で稼ぐ」をテーマに、(一社)三木市生涯活躍のまち推進機構の岩崎正勝理事長から同機構の事業紹介、なかでも子育てや介護などに追われるなかで空いた時間を活用し、収入を得られるしくみ。クライアントとワーキングチームの間にクラウドディレクターが入ることで、その人に合った働き方(しごとを分ける)を可能する「クラウドワーキング」についてご説明いただきました。

田川市と同じ筑豊地方の小竹町で地域密着型で活動されているNPO法人リトルバンブーの井上頼子副理事長からは、「ファミリーサポート」の活動を軸にしつつ、コーヒーの焙煎・販売、朝市、駅前美化活動などしごと創出の取組について報告いただきました。「(まちづくりは)自分たちが楽しむことが第一!」との言葉にもとても説得力がありました。

意見交換では、高齢者に活躍の場をつくることでみんなが笑顔で健康になり、かつ介護保険の支出を抑制する活動例や、住民が主体となってウェルネスジムを運営する仕組み、商店街の空き店舗を活用した居場所づくりの提案、従来の企業誘致とは違った会社の一部の機能を地方にもっていく方法など、各位の専門性を生かした多彩なアイデアが出されました。

今回の会合で出された意見を集約し、まず第一歩として田川市がどこにフォーカスをして、取り組むことができるのか、行政では手の届かない部分を地元の事業者が担っていくためにはどうしたらいいのか、といった議論へ展開していけたらと思っております。

本勉強会の提案を受け入れてくださった田川市経営企画課の原口さん、冒頭挨拶いただき、意見交換にも参加いただいた内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局参事官補佐の大河原さん、ならびに同事務局の山口さん、そしてアドバイザーの皆さん、ありがとうございました。

自分たちのまちをよくしていこうという熱意が事業化へとつながるよう、当協議会もサポートに努めますので、引き続き、ご協力のほどお願いいたします。

誰もが居場所と役割をもち、最期まで安心して暮らせる「生涯活躍のまち」を全国に広げていきましょう!