2月7日(金)に標記のセミナー(オンライン)を開催しました。基調講演は(公社)青年海外協力協会(JOCA)の東北拠点=JOCA東北のマネージャーである河合憲太さんの「フラットな関係と空間が育むもの~岩沼市 生涯活躍のまちづくり~」、その後はJOCA常務理事・北野一人さん、JOCA事務局長の堀田直揮さん、河合憲太さんによるクロストーク。昨年3月末にオープンしたJOCA東北の日常についてお話いただきました。

         保育園児と高齢者デイサービスの利用者の方々が一緒にラジオ体操。

講演では東日本大震災後の岩沼市の被災地支援から始まったJOCAの活動が生涯活躍のまちにつながっていった経緯から、施設の概要、スタッフ、利用者、来訪者が自然と交ざっていく 「ごちゃまぜ」の様子などを説明いただきました。クロストークでは、さらに建設から運営に係る費用や収入、そして「ごちゃまぜ」をつくるためのハードからソフトにかかわる仕掛けやスタッフの心持といった参加者の方々が聞きたいと思われることを歓談方式で。

                     保育園の講堂

その時に出てきたキーワードが「ニアミス」「どきどき」「人と人とつなげるボランティア」です。「ニアミス」とは、集まってくる人たちは各々目的をもっていて、他の人と交流しようと来ているのではないが、施設のなかで保育園児、障害者、高齢者などが自然とすれ違う設計により、目的外のことも生まれる(地域の人たちが集まっての七夕祭りの準備、食事処での餅つき大会、階段の下でバザー、ときには職員のオフィスのソファーで子どもがお昼寝など)こと。「どきどき」は、たとえば、温泉が一般のお客さんと障害者の入浴の時間帯などを区別していないことから生じるトラブルに対して、それでもお互いを別々にすることなく運営する苦労など、スタッフは想定外のことが起こることへの心の準備をしていること。「人と人とつなげるボランティア」 はスタッフ、利用者、地域住民を問わず、地元のコミュニティを再生しようと立ち上げたボランティア組織「岩沼生涯協力隊」の役割。災害などの際の救援活動だけではなく、日常の、行政の手が入りづらい、でも自分たちが得意とする(被災地支援の時から行ってきた)「人と人との結びつける」ボランティアを重視しているとのこと。

               近所の方々も集まっての七夕祭りの準備。
         生涯協力隊のおひとり。元植木職人で現在90歳。まだまだ元気です!

新たな課題が出てくる毎日ですが、それらをクリアしていくことで、多くの経験やノウハウが蓄積されています。ちなみにオープンからわずか半年、しかもコロナ禍にもかかわらず、交流人口は以下の数字に達しました。

現在、JOCAの拠点は以下の通りです(下記にはありませんが、横浜市には「JOCAあーす」があります)。

そして拠点をさらに広げて、日本を「ごちゃまぜ」に、を目指しています。