(写真は佛子園の互礼会でのひとこま。左から雄谷良成・社会福祉法人佛子園理事長、市山勉・株式会社エオネックス代表取締役、下田武夫・株式会社グルーヴィ代表取締役プロデューサー)

あけましておめでとうございます。旧年中はたいへんお世話になりました。

当協議会会長の雄谷良成が社会福祉法人佛子園理事長、公益社団法人青年海外協力協会会長を務めていることはすでにご存じのことと思います。去る1月5日、金沢市内で開催された佛子園の新年会・互礼会において、雄谷が行った冒頭あいさつは、地域づくり、ボランティアなど、皆様の日頃のご活動にもとても参考になるものでした。標記のワード「Agility」(機敏さ)の真意は「いろいろな環境のなかでもまずは行動してみる」。判断を保留してアクションを起こさないことで失うものは少なくありません。「こんなことを言って、あんなことを始めて、失敗したら、間違えていたら恥ずかしい」とは思わず、むしろ考えながら動く、動きながら考える。そうすることで思いもかけない人とのつながりが生まれることも。

ということで、雄谷のあいさつの要旨を以下にご紹介します。

おめでとうという意味

「めでたい」という言葉の語源をご存知でしょうか。「愛でる」と「いたし」という言葉が組み合わさった「めでいたし」という説があります。「いたし」は「いたく感動いたしました」という表現があるように、甚だしい様を意味するので、つまりは「とても愛しています」。「めでいたし」が縮まって「めでたい」という言葉になったわけで、「あけましておめでとうございます」とは、年が明けたから「おめでたい」=「いいことだ」という(自分の)ことではなくて、新年を迎えて、人に対してこちらの気持ちを向ける(利他の)言葉なのです。

旦那の語源とは

本日(1/5)付『北國新聞』に「京都という町は自分たちの文化を観光客に売るところ、金沢という町は自分たちの文化を使うところ」という趣旨の文章がありました。(私が住職を務める金沢市東山ひがし地区の)蓮昌寺の近くにあるひがし茶屋街には旦那衆がいます。茶屋街で芸妓さんを支える(自分たちの文化を使う)人々のことですが、この「旦那」の語源は何かというと、サンスクリット語の「ダーナ」。「ダーナ」とは「与える」(=お布施)という意味の仏教用語です。それが日本に渡来して「旦那」になったのですが、英語では「ドナー(Donor)」(与える人)、ひいては「ドネーション(Donation)」(寄付)に発展していきました。

餓鬼との違い

一昨年末まで大晦日には高視聴率の番組『ガキの使いやあらへんで』が放映されていました。その「ガキ」=「餓鬼」とは生前の罪のむくいで地獄に堕ち、常に飢えと渇きに苦しむ亡者を指します。しきりに水や食物をほしがるも腹ばかりふくれあがる餓鬼の様から、「これほしい、あれほしい」とわがままを言ったり、悪いことをしてばれたら逃げたり、「ぼくのせいじゃない。〇〇が悪い」と言い訳したりする子どもに対して、大人は「ガキのようなことを言うな、するな」と諫めるわけです。

人は失敗したときに、その人の本当のところが見えてきます。失敗したときには、逃げ出さない、言い訳しない、人のせいにしない。「餓鬼」とは反対の「旦那」の態度をとるよう努めましょう。

今年のテーマはAgility

そして、人に迷惑をかけたら、そのことに対してすぐに謝罪し、リカバリーを図りましょう。そうした行為をいかに俊敏にできるかが大切です。何かをしてもらったら、その人に会えなくても、「ありがとう」と気持ちを伝える。間を置いてしまうと台無しになります。人とのコミュニケーションが難しくなっている現在、ちょっとした機会でも逃してしまうともったいない。すぐに人に「ありがとう」といえれば、元気に過ごせる1年になると思います。

以上です。本年もよろしくお願いいたします。